733Mを想い出した。

115系の0番台の窓枠から粉雪が舞い込む。ガラガラのボックスのシートを少しずらしてコの字になって寝ている顔にパラパラと。

新清水トンネルを抜けると特急退避だかで暫し停車。駅名標が綿帽子を被りタングステンの灯りにボゥとそこだけが明るかった。

使われなくなったホームにその駅名標。もうボゥと灯りが燈ることは無い。

来るときに自分がつけた足跡が少し白くなっている。ほかに足跡も無ければ人の声も聞こえない。

跨線橋を渡り待合室に戻ると小さな部屋は寒々としている。自動販売機のコンプレッサーの音だけが時折りウーンと唸る。

ガラガラと扉を開け消雪パイプの水をよけながら車へと戻った。

2020年2月18日   上越線。

照明が入る頃。

山の尾根に照明の列が上っていく。雪も相まって上のほうは霞んで見えなくなってしまった。

近くのペンションのレストランだろう部屋には灯りが燈り人影が。そしてスキー場の傍を通ると帰り支度のスキー客やナイター客。

時すでに遅しとならぬよう祈る。

2020年2月18日   上越線。

夕方になって雪が降ってきた。

小出の辺りは雪の降りが大したことがなく湯沢方面に向かうとそこそこの降雪。

無人駅に列車通過を告げるの無機質なアナウンス。貨物列車は定時にやってきた。 背中から雪がパラパラとぶつかり列車は其の雪つぶてを真正面に受けて峠を下っていく。

2020年2月18日   上越線。

暮れなずむ山里そして陽は落ちて。

陽が沈むと昏くなるのは早い。

夕陽の紅から蒼い時間へと移り行く。

蒼い時間のなんと素敵なことか。たぶん一日のうちで一番心が騒めくからかも。

そして騒めく心を見透かして、やがていっとき灯りに委ねる自分を想像するのも悪くない。

さぁ帰ろう。また今度ね。

2020年2月14日   只見線。

春待ちの田んぼとは・・・。

2月の中旬にこの景色。ひと月半先の景色だね。

山菜もお米も心配。水不足も。

寒気の南下と低気圧の発達が雪の降り方のバロメーター。長続きしないんだよね・・・。

それでも明日は雪予報・・どうなることやら・・・。

2020年2月15日   只見線。

スノーシェッドを抜けて。

坂を上るエンジン音がシェッドにこだまする。やがて飛び出た列車は午後の日差しを受けて深呼吸をすると更にもう一段エンジン音を唸らせ雪原の谷間をすべるように山の奥へと向かっていった。

そしてやっぱり木々の梢も日差しに踊るようにやさしい影を見せている。

カンジキの楕円を楽しみながら車へと戻ろう。

2020年2月15日   只見線。