今日ももうすぐ終わり。
そう夕陽が告げる。
鉱石列車が山を降りてきた。
踏み切りの音が風に乗って聞こえてくる。
さぁ帰ろう。
ハンドルを捌き山道を降りよう。
沈んだ太陽を背中に感じて。
2016年1月9日 秩父鉄道 樋口~野上。
川上村の廻り目平にやって来た。
冬季無料開放のキャンプ場は人っ子一人いない。
ど真ん中にテントを張って一献傾ける。
傍らに三脚を置き一杯飲みながらバルブ撮影。
焚火の炎がチロチロと素敵だ。
北の空に照準を置き、遠い北の大地に思いを馳せる。
なんとなく此処川上村の風景は遠い開拓地に似ているような気がする。
風が出てきた。
テントを時よりバタバタと揺らす。
近くの川の瀬音が風の音に混じって聞こえてくる。
自炊道具は片付けずにテントにもぐりこんだ。
北海道ではキタキツネが悪戯するので車の中に仕舞って置かなければならないが、此処では問題ないだろう。
遠くで鹿がキーンと鳴いた。
2016年1月4日 信州川上村廻り目平。
明治17年11月1日に吉田の椋神社に集まり一斉蜂起した秩父困民党。
11月4日の新井周三郎負傷の報により秩父大宮郷が完全包囲されたことを悟り本部解体の後、
信州北相木村出身の菊池貫平率いる一隊は矢久峠を越えて白井の集落より更に十石峠を越え
此処馬流の地に11月8日にたどり着く。
11月9日未明、高崎鎮台の約100名と岩村田に集まった100名以上の警察官は
ほぼ同数か少し多い困民党軍に最新式の村田銃の洗礼を浴びせ、天狗岩前の田畑で交戦した。
火気に劣る困民軍は更に海ノ口から野辺山へと向かい四散し戦いは終わる。
キハが通り過ぎる天狗岩の下。困民党最後の集団交戦地がまさに此処だったのです。
2016年1月4日 小海線 馬流~高岩。
この時期の十石峠は何年ぶりだろう。たぶん34年ぶりになるのでは・・・。
今もバイク乗りの大さんと来たのが最初で、その翌年に大さん高さんと来たのが最後では。
最初の年は大さんがXT250で俺がXL250R、上野村のぶどう峠分岐の橋の袂でカップラーメンを食べ、氷点下の寒暖計を眺め
全線ダートの黒川林道経由R299十石峠街道を日陰に雪の残る道を此処十石峠に立った時の感動は今もって鮮烈だ。
次の年は大さんはバイクで高さんと俺は車でチェーンを巻いて此処にたどり着いたんだっけ。
今回は矢弓沢林道から峠に上がって来た。
気温が思ったより高いのと雪が少なく難なく登ってきた。峠の長野県側は太いチェーンで施錠され佐久方面には
降りることは出来ない。来た道を降り、下仁田より田口峠を越えて臼田経由で川上村へと向いました。
またみんなで行きたいよ。
2015年1月4日 十石峠界隈。