そうだ横川の駅でそばでも食べてから・・・。
ふらりと立ち寄ったそば屋の店先。
ホームの中では高崎から来た蒸気機関車が小さな息遣いをさせて昼下がりの一時小休憩。
ホームの先には碓氷の峠があるというのに線路は此処で途切れている。
峠のシェルパにバトンを繋ぐことも無く、まるで所在なしげに佇んでいる様子。
機回しが出来るわけでもなく側線も無いただ行き止まりの道で機関車は何を思うのだろう。
後ろのDD51に牽かれて高崎へと戻る姿は哀れというほか無い。
これで観光と言う・・・。
窓が開く客車に弁当売りが掛け声をかけることも無く、
文庫本片手に車窓の景色を眺めるほどの時間も無く、
ましてやガラス越しに差し込む日差しにまどろむことすら出来ない。
なんとも言えない気持ちで車のハンドルを捌き軽井沢への道を登って行った。
2015年12月20日 横川駅。