夕暮れ迫る頃。

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富士川の流れがいよいよ山の中へ入っていく。

 

ほんの少し開けた地に集落が形成される。

やがて駅が出来る。そして何時の時代か貨物線を要する産業が見出される。

または、産業が元々あって鉄道が敷かれたのかもしれない・・・。

 

時代が更に過ぎる。

モータリゼーションの発達と反比例して貨物はトラック輸送へと形を変えてゆく。

そして車で郊外のショッピングセンターへ買い物へ行くようになる。

 

駅前は寂れ、活気を失ってゆく。

当時どこの地方にもそんな雰囲気が忍び寄ってきた頃。

 

この時期、狭い谷に陽がさす時間は短い。

ライトを点けて列車はやって来た。

 

 

 

1981年1月                身延線   芝川駅。

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