高校2年に上がろうとする春休み。
夜の石打駅にまたもややってきた。
山にはまだ雪が残るこの頃、寒さもものともせず終夜バルブ。
列車接近を知らせるブザー音。機関車嘶くホイッスル。
明るい構内をあっちへ行ったりこっちへ行ったり。
次々と来る列車たち。
みんなかっこいいぞ。
25パーミルへモーターを唸らせ夜のしじまに突っ込んでゆく。
列車が行ってしまうと、もうすぐ春だと雪の隙間の土のにほいが、遠くから線路を伝って
かすかに感じることが、僕の春休み。
1979年3月 石打駅。