春の陽の河原で。

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石打駅でバルブを終え、少し待合室で寝た後、一番電車に乗って中里へ。

 

それでも、石打から中里までの僅かな間、眠りをむさぼる。

駅前に立つと案の定まだ寝不足ではあるけれど、凛とした空気に触れ、一気に元気になる。

鉄橋へ向けて、まだ閑散とする駅前の坂を下りて左に曲がると、朝陽が正面から射してくる。

 

「良い天気だ」。

橋の上から眺める鉄橋の下、魚野川の河原には名残の雪。

「きらきらだ」。

 

太陽が上がってくると土の匂いと川の風が混じりあう。

「あぁ気持ち良い」。

 

 

昨日の夜見たEF16の12番が下ってきた。

昨日の疲れを微塵も見せずに国境を駆け下ってきた。

心なしかモーター音は春の日差しを浴びてか、軽やかに聞こえる。

 

上野に向かう一番の「とき」が上ってゆく。

車窓から、残雪の山、きらきらと輝く川。

もうすぐ長いトンネルを抜けるよ。

 

 

1979年3月                      越後中里~土樽。

 

春休み・石打駅。

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高校2年に上がろうとする春休み。

 

夜の石打駅にまたもややってきた。

山にはまだ雪が残るこの頃、寒さもものともせず終夜バルブ。

 

 

列車接近を知らせるブザー音。機関車嘶くホイッスル。

明るい構内をあっちへ行ったりこっちへ行ったり。

次々と来る列車たち。

みんなかっこいいぞ。

 

25パーミルへモーターを唸らせ夜のしじまに突っ込んでゆく。

 

列車が行ってしまうと、もうすぐ春だと雪の隙間の土のにほいが、遠くから線路を伝って

かすかに感じることが、僕の春休み。

 

 

1979年3月                            石打駅。

 

犬走りを歩いて。

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水上から湯檜曽まで。

水上鉄橋の先の踏切から奥利根館の脇のつり橋まで線路際を歩いた。

遠くからモーター音。

堂々4パン。

 

銀箱と三脚が湯檜曽の駅に着く頃はさすがにちょっと重いと感じた。

 

 

1979年3月                水上~湯檜曽。

 

棚下の鉄橋を渡って。

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利根川が刻む河岸段丘の下の小さな集落。そこが棚下。

崖上をテーブル(棚)と考えればまさに棚の下にある。

 

此処、「津久田~岩本」間は最近はデゴイチの撮影場所としても有名なようだ。

集落の様子などはあの頃とあまり変わりない。

 

 

1979年3月                津久田~岩本。