高崎線通学の頃の話。
鴻巣と吹上の間は駅間距離があり新駅ができるともっぱら噂だった。
実際新駅が出来たのは卒業から暫くしてからだった。
この頃から一面田んぼと畑そして民家が点在する長閑な景色だったところへ、宅地開発が始まり
まずは区画整理、道路、電柱と出来ていったように思う。
ここは駅間が有り115系のクハ連結面通路から見るスピードメーターがぐんぐん上がり
モーター音が唸る区間であった。
直線区間で唯一横揺れがガクンと来るポイントがあった。
結構な横揺れで身構えてないとよろけるほど、慣れていてもつり革や棒につかまっていないと
いけないぐらいだった。
高校2年に上がると当然1年生が入ってくる。
電車通学初心者のこの一瞬を見逃すまいと面白がって見ていると・・・。
「そろそろ来るぞ」
ガックン!
「キャー」
熊女一年生の悲鳴が列車内に響く。
やったねざまぁみろ・・・。
新入生歓迎行事か。
横揺れするのはちょうどこのあたり、「とき」は颯爽と通り過ぎてゆく。
その後新駅が出来てもう揺れることはない・・・。
1980年12月 高崎線 鴻巣~吹上。