百聞先生の東京駅。 長い歴史から見れば駅の改札が自動化されたのなんて最近のことだろう。 ちょっと前には駅員が一人ひとりの切符に鋏を入れていた。 切符を持つ自分が少しづつ改札に近づいてゆく、その瞬間独特のリズムで鋏を鳴らし一枚一枚確実に鋏を入れてゆく。 床下には沢山の切符の欠片。フィルムケースをうまく使い欠片が落ちないようにしている駅員もいたっけ。 さぁ改札が開いた。 駅が目覚める。 早起きが苦手だった百聞先生。 この瞬間はあまり見たことが無かったろう。 2015年6月9日 東京駅。