やっぱり腰を下ろして列車を待つ。

小径をたどり棚下を見下ろす。

 

2時間ほど4本の列車を見送る。

後ろの尾根向うの上越国境から唸りをあげて風がぶつかる。

南側に腰掛けると風は頭の上の木々を揺らし通り抜けてゆく。

煙草の煙がある高さから突然風に吹かれ消えてゆく。

 

眼下の集落には川風となって小さな畑に時々土埃を舞い上げながら風が通り過ぎる。

 

利根川は雪代を合わせ白く濁っている。

強い風が川面を伝い小さな波しぶきを立てる。

陽の長くなった今、腰を下ろし列車を待つ間まさに春を感じる。

 

 

2017年4月19日        上越線   岩本~津久田。

流れ雲に一喜一憂して。

道路の向こうの畑から新潟色の70系を撮ったのは中学2年の時。

津久田駅から鉄道橋を恐々渡ったんだっけ。

 

写真右手が駅。

その道すがらを眼で追う。

銀箱と三脚担いだ14歳の自分が歩いている。

 

あの日も流れてくる雲に一喜一憂したんだっけなぁ・・・。

 

 

 

2017年4月19日        上越線   岩本~津久田。

 

 

萌黄を過ぎて今は春。

かねてから気になっていた山へ。

けもの道を行き、季節がもう少し進めば藪に覆われてしまう雑木林をかき分け

登ってきた。

 

春の日差しのもと、地べたに腰を下ろし持ってきたお茶で喉を潤す。

煙草を燻らせ下の小さな集落を見下ろす。畑ではトラクターの音が忙しい。

あぁ春なんだねぇ・・・。

 

此処も好きな風景になりそうな予感。

 

 

 

2017年4月19日        八高線   竹沢~折原。