ヤマの機関車たち。

三ノ輪に最初に訪れたのは高校2年だったか。長瀞の友人のバイクの後ろにまたがり来たんだっけ。

デキやディーゼルは毎日毎日ヤマから石灰石を運んできたんだなぁ・・・。

武甲山は其のヤマのかたちを変えて今に至るわけだよね。その武甲山へ登ったのは随分前になる。影森駅から今は採掘で通れなくなった西参道を行き長者屋敷尾根を降りて浦山口駅に出たんだっけ・・・。いろんな想いが交錯するヤマの道です。

※一部画像修正済み。線路や鉱山敷地内は立ち入り禁止です。

2019年2月12日     秩父鉄道。

そしてまた雪は降る。

3日目の越後路。源泉かけ流しの旅館で朝風呂を浴び車に積もった雪を撥ねてさぁ出発。

社の周りの杉林は段々とその梢にまとわりつき白くなってゆく。線路の雪を跳ね飛ばしいつもの列車はいつものようにやってきた。

あと何回降るのだろう・・・。まだまだ春は先のことかな。

2019年2月8日     上越線。

黄昏時の大沢。

駅裏の小さな社の屋根の雪もあらかた落ちてしまった。改めて暖冬なのだと記憶する。無人駅だが閉まっている駅の事務所にはホームや駅舎の前を除雪する数人の方が見えていた。どうりでホームが綺麗な訳だ。

やがて機械的なアナウンスが下り列車の通過を告げる。

ピィとひとつ嘶き風が過ぎてゆく。遠くのスキー場にナイターの照明が入った。今日はもうおしまい。温泉入って一杯やろうぜ。

2019年2月7日     上越線。

蒼き雪原。

川霧が彼方に去ると山の端から登った太陽が雲を蹴散らせ堂々と登ってきた。雪原は空の色を映すがごとくその素敵な蒼と橙の競演となる。

しみわたりのスプーンカットの陰影は海原のようだ。

雪煙を上げることなく列車は其の海原を滑ってゆく。パンタグラフはこの時間でもまだバチバチと盛大な音をさせ雪原を目覚めさせる。

2019年2月7日     上越線。

貨物あがる。

ロクヨンが行ってしまい暫くすると朝一番の貨物が上がってくる。

架線に着いた川霧の霧氷をパンタグラフが擦りすごい音を響かせ霧の彼方から機関車が現れる。

未だモルゲンロートの淡い光の中疾走してゆく。モーター音を唸らせコンテナの軽やかなリズムが霧に消えてもパンタグラフのアークの音がいつまでも聞こえていた。

2019年2月7日     上越線。

ロクヨン帰る。

越後中里までの霜取り運用。川霧の中上ったばかりの太陽に浮かぶシルエットのロクヨンはゴトゴトゴトの3連符のメロディを奏で帰ってゆくよ。

しみわたりの雪原を短靴で踏むと固く締まった雪は足裏に振動を与えてまた違ったメロディが聞こえてきたよ。

2019年2月7日     上越線。

夕暮れ時。

今日の陽はさようなら。杉林の影が手を振ってお別れ。

撮影を終えると陰の世界へといざなう冷たい風が吹き、追い立てられるようにかんじきを踏み車へと急ぐ。煙草を燻らせ振り返るとまだ少し残照を残し丹後山からの国境稜線に最後の陽が輝いていた。

2019年2月6日     上越線。