北へ帰る。

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あの頃は、ただ北を求めていた。

 

故郷へ帰る言い知れぬ思いを抱いた沢山の人々に混じり、

さも、故郷へ帰るがごとく、その雑踏の後ろから北を目指した。

 

目指したといっても、ただあても無く・・・。

 

 

青森の駅は、後ろ髪と前のめりの風が交錯する白い歩廊。

 

 

北の大地は凍れていることだろう。

あぁ・・・。

 

 

 

1983年暮れ。                 青森駅。