駅。

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旅先のご馳走。
いや、どこぞに勇気を持って駅の外へ出かけることが出来ないだけのこと。

駅そばは、ファーストフードだったりする。
もちろん蕎麦そのものや、出汁は違っているけれど。

カウンターの中は、どういう訳か大概、おばさんのことが多い。

向こうはどんな客かと思っていることもあるだろう。
こっちは、どんな境遇であるのかと思ったりする。

富山駅。
「立山」の文字が真っ直ぐ見える。

百鬼園先生。

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大きな、飛んでも無い大きなソナタを、この急行列車が
走りながら演奏している。
線路が東京から新潟に跨る巨大な楽器の弦である。
清水隧道のある清水峠はその弦を支えた駒である。
雄揮無比な旋律を奏しながら走って行く。
レールの切れ目を刻む音にアクセントがある。
乗客はその迫力に牽かれて、座席に揺られながら
みんなで呼吸を合わせている様に思う。

内田百閒
「雪中新潟阿房列車より」

時間を気にせずして旅を楽しむ。
出来れば最低半日ぐらいは列車に乗っていたい。
便利なことは良いけれど飄々と漂う時間も必要です。
いろいろなことを考えながら。

雪の少ない雪国への車内にて。

ホイッスル。

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暫らく前まで、山間のこの駅には、峠のシェルパの汽笛が響いていた。

今は鉄道公園の、動態保存であるEF63のホイッスルが往時を偲ばせるがごとく、駅裏の「おぎのや」で蕎麦を啜る自分に、落ち着きの無さを与えている。

駅前のアプト時代のラックレールの傍らで・・・。ズズッズ・ズッー。