秩父のオクリ。

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耕地には、いつもと変わることなく冬の日差し。

甲州街道を外れ雁坂の峠を越し、さまざまな文化や生活物資が、ここ栃本をすぎ秩父の町へと入っていった。
数年前、国道140号線が雁坂嶺の真下をぶち抜き今に至る。
しかし、昔とは違い、さほど文化や生活の行き来があるようには思えない。

高校生の頃、行き止まりの国道に漠然と疑問を持った。

やっぱり秩父の”オクリ”だね。
耕地の下から移動販売の車が来たことを知らせている。

東京と新潟。

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先日、熊谷から東京へ。
熊谷では一面の霜、もちろん東京は晴れていた。

スキーが盛んな頃、上野へと向かう満員の鈍行列車の中、
お互いの感情が決して穏やかではない車内でのこと。

分水嶺のトンネルを越え、暗澹たる景色から青空の下へ
さらされた瞬間、さっきまでの一体感のない車内に
陽の光が射し込み歓声が上がった。

人の気持ちは案外そんなものかなと思った。
しかめっ面していた自分が恥ずかしくなった。
16歳の頃。

今更ながら東京の空もまんざら捨てたもんじゃない。
なんて思った。