喜多方から熱塩までの客車の中、車内検札で補充券に鋏を入れてくれたのは若い車掌さんだった。
熱塩駅は、記念館となり残っていた。
傍らに客車が保存されていた。
ペンキを塗りなおしたばかりなのか、揮発性の塗料の匂いが
まだ残っているようだった。
夏草が生い茂る夏の日の夕暮れ。
蒸気機関車のブームが去った駅には、
虫の声と、時々そばを通る車の音だけがしていた。
茶色い客車から窓を開けた、昼間の草いきれと夏の夕方の匂いが混ざり合っていた。
喜多方から熱塩までの客車の中、車内検札で補充券に鋏を入れてくれたのは若い車掌さんだった。
熱塩駅は、記念館となり残っていた。
傍らに客車が保存されていた。
ペンキを塗りなおしたばかりなのか、揮発性の塗料の匂いが
まだ残っているようだった。
夏草が生い茂る夏の日の夕暮れ。
蒸気機関車のブームが去った駅には、
虫の声と、時々そばを通る車の音だけがしていた。
茶色い客車から窓を開けた、昼間の草いきれと夏の夕方の匂いが混ざり合っていた。