輪廻。

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生態系の重要性が話題になる昨今。

必要最小限の動植物の享受はありえるものと。

かつて、アイヌの人々に熊送りの儀式があったように、自然の中に神の存在を意識して生活してきた人々の生業。

特攻船に乗り、旧ソビエト国境までも出漁せざるおえない現実。

“其処”に住む、ということの難しさを感じる。

羅臼より国後を望む。

8月15日を想う。

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紙切れ一枚で遠く南方や満州に動員され、挙句に国家に見捨てられ、野末のしゃれこうべとなった多くの先人たち。

翼賛の時代、関東軍の暴走。
侵略侵攻された、彼の国々。

紙切れすらなく、突然の日本行き、行ってみたらタコ部屋労働、人間以下の扱い、繰り返される暴力、粗末な食事。
祖国に帰れることなく、日本の野末の土の下となった多くの人々。

アイゴーと叫ぶ彼らの声がそこかしこから聞こえる。

身内の命日でもある15日に、ふと考えた。
平和とは。

夏の青空を仰ぎ、合掌。

土樽。

ふと、六日町へと用事のついでに、土樽駅へ行ってきた。

無人駅となって久しい待合室には、外国の方がお二人、山から降りられて来たようで汽車を待っておられました。

特急退避で2番線についた各駅停車の窓から線路を見下ろすと冬季融雪の水路があり、あの暑い日にそこへ魚が泳いでいるのを見たのはずいぶん昔の事だった。

赤錆びた水路には何もいなかった。

土樽駅のすぐ脇に関越自動車が通っている。
なぜか冬に見た景色を思い出した。
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天都山。

天都山からの網走湖と能取湖。

7月の夕時。
もともとは、沿岸文化のアイヌの人々が見た夕景色。
いつの間にか山間地へ追いやられ、そのアイヌモシリから鮭すら自由に採る事をも許されずに
夕日ですら奪われた彼らを想う。

天都山の中腹にアイヌや北方少数民族の博物館がある。
物言わぬ彼らは、この黄金色の景色をガラスケースから見ている。
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