田圃の中を走っていると突然の雨。
ウインドグラスを容赦なくたたきつける。
なぜか気持ちよくなった。
稲穂よ元気が出たかい。
田圃の中を走っていると突然の雨。
ウインドグラスを容赦なくたたきつける。
なぜか気持ちよくなった。
稲穂よ元気が出たかい。
根曲がり竹。
山に生えるたけのこです。
昔は縦走路での足元の厄介者でしかなかったが、
今では、山歩きの楽しみのひとつ。
明日は、少し標高の高いところへ行ってみよう。
中越地震からの復旧なった高速道路。仮復旧時の片側通行が、うんと前に感じる。
道路はうねり、段差が続き、側壁が落ち、路肩は崩れ、看板が傾いていた。
改めてそれを思いながら走るいつもの道。
感謝しなければならないな。
今日も越後三山が優しく出迎えてくれた。
自分の故郷に突然コンクリートや
鉄骨の建物が出来たら・・・。
旧山古志村各集落への主要道路の復旧が
進んでいる。
春の日差しに包まれた山の民に去来する想いとは。
軽トラや、自転車で行き交うのには違和感を感じてしまう。
越後川口から飯山へと抜ける国道117号。
折りしも、冬へ逆戻りしたかのよう。
地震があったあの日、発生数時間前に、
くしくも震源地を訪れていた。
『早く春よ来い』、と思う心。
アスファルトのグレーを『白』が包み隠す。
バックミラーにわずかな轍が線となる。
春間近。
大きな、飛んでも無い大きなソナタを、この急行列車が
走りながら演奏している。
線路が東京から新潟に跨る巨大な楽器の弦である。
清水隧道のある清水峠はその弦を支えた駒である。
雄揮無比な旋律を奏しながら走って行く。
レールの切れ目を刻む音にアクセントがある。
乗客はその迫力に牽かれて、座席に揺られながら
みんなで呼吸を合わせている様に思う。
内田百閒
「雪中新潟阿房列車より」
時間を気にせずして旅を楽しむ。
出来れば最低半日ぐらいは列車に乗っていたい。
便利なことは良いけれど飄々と漂う時間も必要です。
いろいろなことを考えながら。
雪の少ない雪国への車内にて。
本営が瓦解した中、丙大隊長、落合寅市が
「進め進め」の掛け声の中、小川口へと越えていったところ
粥仁田峠。
夕方、釜伏峠から遠く両神山へ沈む夕日を見た。
このとうげの麓は、大野苗吉の出身地でもある。
粥仁田峠近くでテントを張り夜を明かした。
満天の星。
大宮郷と呼ばれた秩父の街の灯りが瞬いている。
困民党への想いが
駆け上がってきた冷気と混ざり合った。
先日、熊谷から東京へ。
熊谷では一面の霜、もちろん東京は晴れていた。
スキーが盛んな頃、上野へと向かう満員の鈍行列車の中、
お互いの感情が決して穏やかではない車内でのこと。
分水嶺のトンネルを越え、暗澹たる景色から青空の下へ
さらされた瞬間、さっきまでの一体感のない車内に
陽の光が射し込み歓声が上がった。
人の気持ちは案外そんなものかなと思った。
しかめっ面していた自分が恥ずかしくなった。
16歳の頃。
今更ながら東京の空もまんざら捨てたもんじゃない。
なんて思った。
巻機山の麓。
昨日からの雨が、雪へと変わっていく。
今年初めての雪を手のひらに載せて見る。
水へと変化する一瞬。手の体温を奪って冬へ誘うかのように、
その隙間から零れ落ちた。
遠くで、雪おこしの雷が鳴った。