風が口ずさむ。

大好きな十勝の地に風たちがメロディを口ずさむ。

十勝に入り約一週間ずうっと雨交じりの日が続いた。その間ロケハンで散々うろうろした挙句のやっとの晴天・・。そしてほんの少し前に車を停めて4×5機材一式を担ぎ出して此処はと思うところで撮影。ところがアクセルを踏んで僅か数分・・・。走り始めた車のウインドグラスの左に素敵な落葉松が目に付いた。もう一度4×5を引っ張り出して牧草地の脇に三脚を立てた。

そうしていると、やがて気持ちの良い風に頭を揺らした落葉松たちもが踊りだす・・。清々しい空の下、そう、晴れの陽を一緒に口笛を吹きながら・・・。

去年久しぶりに彼のアクセルを停めた地を訪ねた・・・。口笛を吹き笑っていた落葉松林は無くなっていた・・・。

ウイスタ4×5VX テレアートン270mm 50D。

1987年8月   足寄。

開拓地の陽。

十勝が好きで随分とこの場所へは通った。

うねりの無い河岸段丘の開拓地・・開拓前の原生林を想うと気が遠くなるような平原。

民間委託の郵便配達のおばさんが声をかけてくれた。そして暫くすると配達がひと段落したおばさんの車が土埃を巻き上げ坂を上がってくるのが見える。

手にはたくさんの食べ物や飲み物を抱えて持って行けと・・。そして都会に行った息子の事やらを話し・・。さっき野宿している自分の話を聞いて同じ年頃であろう息子を想ってのことなのだろう。

おばさんが言った「ここから見える景色好きなのよね~自慢なのよ・・」

・・・すべてが報われた気がした・・・。ふるさとを想うその言葉にこころの中で相づちを打った。

なんでもない景色も捨てたもんじゃない。開拓地には人の営みが続いているよ。

遅い春に心躍らせ 短い夏に汗を流し 早い秋に気を急かされ 長い冬に心を仕舞い・・・。生きている・・・。

今は夏、乾布を被るとピントグラスを覗く額から汗が流れて・・・。

ウイスタ4×5VX フジノンT400 50D

1987年8月   十勝管内。

丸瀬布の蒸気を。

ガサゴソしたら出てきました!撮ってました丸瀬布・・。

4×5での撮影です。レンズはたぶんジンマーの120mmだったような・・。

原版ノートリです。もちろん置きピンは当たり前・・シャッター閉めてホルダー入れたら‥画面見えないですから・・・。因みにフィルムはフジの50D。

確か前の日の夕方丸瀬布に入り野宿したような・・。34年もたつと色々記憶が曖昧なのはしょうがありません。

1986年8月   丸瀬布。