跨線橋を渡り。

 

上越線の列車は定刻より少し遅れてやってきた。

急ぎ足で只見線のホームへと向かう乗客がひとり。

キハのアイドリングは信号が変わると待っていたかのように唸りを上げて山懐へと向かっていった。

やがて遠くの白銀のスカイラインも闇に包まれ鉛色の空とその境が分からなくなるころ彼女は雪道を踏みそれとも消雪のアスファルトの水をよけながら家路へとつくのだろうか。

 

日常の営みがささやかであるように、何処の誰だか知らないがあなたの明日に幸あれと。

 

 

2018年2月24日        上越線   小出駅。

 

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