残照の停車場に貨物が通り過ぎる。

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残照の中、国境の停車場に風が吹く。

鉄の擦れた匂いが通り過ぎる。

 

無人となった駅の待合室には、国境を越え茂倉新道を降りてきた登山者がひとり。

「良い山でしたと」満足そうに今日の一日を振り返り余韻に浸っていた。

眼をつむった彼のなか、念想はまだ山を駆け廻っているかのようだった。

 

「良い山旅を・・・さようなら」

 

さぁ、カメラを片付け、野宿でひとり一杯やろう。

 

 

2009年10月16日       土樽駅。

 

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